みなさんのエアコンは問題なく動いてますか?
私は、家のエアコンが全く効かなくなり、地獄のような夏を経験したため、そのときにエアコンを買い替えました。
広さはあわせて約28畳くらいの部屋になるんですが、買ったエアコンは14畳用。
でもそのエアコンで夏も冬も快適に過ごせています。
今回は、なぜ広さに合わない14畳用にしたのかその理由と、実際にそれでどうだったかを紹介していきます。
14畳用を買った理由
結論から先にいうと、エアコンの畳数で選ぶとオーバースペックになってしまうためです。
みんなの住宅研究所、一級建築士の松尾和也先生の著書が非常に参考になります。
①畳数は昔の基準
エアコンのカタログに書いてある「〇〇畳用」は気密性、断熱性が全くちがう50年以上前の住宅の基準で設定されています。
今の住宅は、昔とは比べ物にならないくらい気密性、断熱性を持っているため、畳数だけで選んでしまうとオーバースペックである可能性があります。
また、オーバースペックのエアコンを使うと、燃費も悪くなり電気代も高くなってしまいます。
②暖房の最大能力は概ね3段階しかない
畳数には6畳用~29畳用といくつも種類がありますが、実は暖房の最大能力には概ね3段階しかありません。
<エアコンの最大暖房能力には概ね3段階>
・6畳用(100V)~
・10畳用(100V)~
・14畳用(200V)~※
同じ暖房能力のエアコンを選べば、それが何畳用であっても、暖房の最大能力は変わりません。
その最大暖房能力の一番強くなる境目が主に14畳用(200V)※なんです。
※能力の境目はメーカー、シリーズによって異なります。
18畳用が境目のケースもあります。
③冷房は条件によって変わる、でも余力は十分ある
暖房の最大能力にはたったの3段階しかありませんが、冷房に関しては異なり、畳数が増えるほど冷房の最大能力も大きくなります。
日射、外壁の色、面積など細かい計測、計算が必要になるため、場合によっては必要なエアコンの能力が畳数ぴったりになるケースもあるようです。
とはいえ、冷房能力は外気温35℃の過酷な条件で試験をして畳数を設定しているため、実際はかなり余力を残していると言えます。
気温が35℃くらいまであがるような日中は、学校や仕事に出て家にいないのであれば、そこを基準にエアコンを選んでしまうのはもったいないともいえます。
④価格差
なんといっても価格差です。
14畳用(200V)と29畳用(200V)のエアコンは1.5倍近くの価格差があります。
金額でも10万円前後の差があります。
「(少なめの畳数だと)もしかしたら、うちの家では十分冷房効かないかも?」
の「もしかしたら」に払う保険代としてはかなり高すぎる差だと思いませんか?
問題は冷房、実際どうだったか?
暖房は14畳用(200V)を買えば、パワー不足になる心配はありません(※室外機が凍る寒冷地は除く)が、冷房に関しては異なります。
よって、実際の畳数より少ないエアコンを選ぶ場合の問題点は
「真夏にエアコンが効いてくれるのか?」
になります。
検証
<検証条件>
・真夏の昼間(14:00 35℃)
・南向き
・室外機はバルコニーに(日よけ等処置なし)
・鉄筋コンクリート造マンション(築10~20年)
・広さ 合計約28畳、部屋仕切り(下図 緑点線部)は開放
・エアコン設定温度は25℃、風量 自動
・各A~E地点に温度計を設置
エアコン直下であるA地点、エアコンから近いB地点は十分効いてくれるはずです。
問題は、エアコンから遠く、やや入り組んだ状況にあるC、D、E地点にしっかりと効いてくれるかがカギになってきます。
結果 十分効いた(むしろさむい)
それでは各A~E地点で計測した「温度と湿度」をまとめます。
地点 | 温度 | 湿度 |
A | 22.5 | 40 |
B | 23.8 | 40 |
C | 23.9 | 40 |
D | 23.5 | 43 |
E | 24.0 | 41 |
結論としては、十分冷房が効いてくれる結果になりました。
エアコン直下であるA地点で一番低い温度になるのは予想通り。
そして、一番エアコンが効きにくいであろうE地点で最も高い温度になるのも予想通り。
ただ、最もエアコンが効きにくいであろうE地点でさえ設定温度よりも低い温度になったのは予想外でした。
多少部屋が入り組んだ構造であっても、ドアや仕切りが開放された状態であれば、十分に効いてくれる結果になりました。
冷房は日射など細かい条件によって効きが変わるようですが、私の家の条件では十分にきいてくれました。少なくとも私よりもイージーな条件の部屋であれば、問題なく効いてくれるでしょう。
14畳(200V)より上位の機種じゃないと冷房が効かないという根拠(細かい計算結果)がないのであれば、エアコンは14畳用(200V)以下を選んで良いのではないかと思います。
結論
エアコンの畳数の基準は昔の住宅の基準で、今の住宅には当てはまらないこと、エアコンは14畳用(200V)であれば、それより広い部屋でも十分効いてくれる可能性が高いことがわかったかと思います。
私のエアコン選びの結論としてはこうなります。
みなさんもオーバースペックのエアコンを買って無駄にお金を払ったりしないように十分注意してくださいね。
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参考
下記は各メーカーごとの14畳用(または12畳用)のモデルです。
最大畳数モデルである29畳用との価格、最大暖房能力(kw)を比較しています。
14畳用と29畳用の最大暖房能力には、ほとんど差がないことがわかると思います。
※比較した価格は、2023年3月の価格コムの最安値で比較しています。
実際には別途、工事費等も発生しますのでご注意ください。
※実際にエアコンを購入される場合は、自宅の取り付け予定の部屋のコンセントと、エアコンのコンセントの形状が合うか、工事の必要性などを十分確認されるようにしてください。
ダイキン うるさらX
14畳用 価格 | 最大暖房能力 | 29畳用 価格 | 最大暖房能力 | 価格差 |
183450円 | 12.2 | 305000円 | 12.4 | 121550円 |
三菱 霧ヶ峰
14畳用 価格 | 最大暖房能力 | 29畳用 価格 | 最大暖房能力 | 価格差 |
187990円 | 11.7 | 280000円 | 12.4 | 92010円 |
日立 白くまくん
12畳用 価格 | 最大暖房能力 | 29畳用 価格 | 最大暖房能力 | 価格差 |
288800円 | 11.9 | 388000円 | 12.0 | 99200円 |
富士通ゼネラル ノクリア
14畳用 価格 | 最大暖房能力 | 29畳用 価格 | 最大暖房能力 | 価格差 |
224999円 | 11.6 | 304999円 | 12.8 | 80000円 |
Panasonic エオリア
14畳用 価格 | 最大暖房能力 | 29畳用 価格 | 最大暖房能力 | 価格差 |
274230円 | 11.5 | 389070円 | 11.8 | 114840円 |
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