なんか足が赤い、皮がむけてる。
これって水虫?
病院行くのいやだなあ。
水虫というと
「うつる」「汚い」「恥ずかしい」
というイメージがつきもの。
人にも言いづらく、病院にもちょっと行きづらい。
こっそり、自分で治療できるならそれが気楽ですよね。
しかし、市販薬も意外と高く、病院でもらうなら自己負担は1~3割で済みます。
もし、病院でもらう場合と費用があまり変わらないのであれば、市販薬も試しやすくなりますよね。
そこで今回は、主成分が同じ薬を、市販で買うのと病院を受診してもらうのとでは、どっちが安くなるのかについて検証してみました。
検証の方法
今回比較するのは、病院を受診して一か月分処方してもらうのと、市販で一か月分購入する場合の費用です。比較をするにあたって、以下の条件を設定します。
- 比較する薬は、処方箋医薬品と同じ主成分を配合した市販薬
- 市販薬の価格は2023年2月のAmazon価格を採用
- 一か月分必要量 = 両足全体に塗布 30g
※水虫の場合、症状がない部位があっても、両足全体に塗布することが推奨されています - 〇病院代 = 病院+薬局(薬剤料除く)≒ 471点(4710円)と概算
※病院:初診料+処方箋料=356点、薬局:技術料+管理料=115点 - ☆薬剤料 = 薬価(円)×30g
※2023年2月時点での薬価 - 病院でもらう費用 = 〇病院代 + ☆薬剤料 自己負担 3割
検証 結果
成分 | 市販薬 | 市販薬価格 | 市販薬で一か月分買う | 病院で一か月分もらう | 差額 |
ビホナゾール | アトレチオンLX(30g) | 836円 | 836円 | 1587円 | -751円 |
ブテナフィン | メディターム水虫クリーム(20g) | 913円 | 1370円 | 1668円 | -298円 |
テルビナフィン | ラミシールATクリーム(10g) | 921円 | 2763円 | 1646円 | +1117円 |
ラノコナゾール | ピロエースZクリーム(15g) | 1224円 | 2448円 | 1650円 | +798円 |
市販薬で一か月分購入するのと、病院へ受診して一か月分薬をもらう費用を比較した結果、平均では866円市販薬が割高という結果になりました。
今回の比較では、市販薬で購入した方が平均の差額では割高になるものの、個別の薬で見れば市販薬で購入したほうが安くすむケースもあります。
「日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン 2019」において、水虫に使われる抗真菌薬の比較については
”薬剤間の臨床効果を比較した臨床試験はわずかであるため、薬剤間の優劣を示すことは現時点では難し
い”
とされているため、安い薬だから効かないというわけではありません。
よって、病院へわざわざ受診する手間や、恥ずかしさ等を考慮するのであれば、いずれかの市販薬を検討する価値は十分にあるといえます。
市販の水虫薬を買う際の注意点
水虫の薬を市販で買う場合、病院へ行く手間もなく楽ですが、以下のような注意点があります。
水虫ではない可能性
足にかゆみを伴う湿疹ができた場合、まっさきに水虫を考えるかもしれません。
しかし、実際に水虫でかゆみを伴うのは、水虫全体の10%程度しかありません。
つまり、かゆみを伴っている時点でそれは水虫ではない可能性が十分にあります。
抗真菌薬はかぶれやすい
水虫の治療に使われる抗真菌薬は、それ自体に刺激性があり、かぶれやすいという特徴があります。
水虫かと思って塗ったにも関わらず、それが水虫でなかった場合は、薬でかぶれて余計に悪化するという事態も起こりえます。
治療期間は最低でも1か月
水虫の治療期間は概ね2~6か月、最低でも1か月は必要とされています。
よって、見た目がよくなったからといって自己判断で中止してしまうと、菌を殺しきれずに再び症状がでる可能性があります。
まとめ
水虫の治療に、市販薬を試す価値は十分にあります。
病院へ行く手間も省け、薬によっては病院へかかるよりも安く済みます。
しかし、素人には水虫なのかどうかの判断が難しく、水虫でなかった場合は余計に悪化してしまうリスクも考えられます。
よって
- 過去に水虫と診断されたことがある
- 水虫と診断されている人と接触した
- よくプール・銭湯・温泉に行く(マットに高確率で菌がいる)
- 梅雨の時期に症状が現れ始めた
このような条件に多くあてはまる人であれば、足にできた湿疹は水虫である可能性が高く、市販薬で治療を試してみる価値は十分にあると思います。
逆に、初めて水虫のような湿疹ができた人で、上記に該当しない人は、いったん病院を受診して、正確な診断を受けたほうが無難でしょう。
水虫で病院へ行きたくない方、市販薬を検討している方の参考になれば幸いです。
参考
今回比較した薬の中で、病院へ受診してもらうよりも割安になる結果になったものです。
アトレチオンLXクリーム
(主成分:ビホナゾール)
メディターム水虫クリーム
(主成分:ブテナフィン)
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