4月1日以降のほうが薬は安くなる可能性が高い
薬の値段=薬価 は毎年変わる
「病院を受診し、薬局から薬をもらう」にしても3月31日は避けた方がいいかもしれません。
薬の値段である”薬価”は、1年に1回(数年前までは2年に1回)、毎年4月1日に改定が行われ、その多くの医薬品は値下がりする傾向があります。
あらゆる物価の高騰が続く2023年ですが、それでも薬価は改定対象品目全体の約48%が値下がりし、値上がりするのは全体の8%ほどしかありません。(その他は現状維持)
- クレストール2.5mg(脂質異常症) 32.3円 ⇒ 28.4円
- コニール4mg(高血圧) 26.3円 ⇒ 23.9円
中には値上がりする薬もある、といっても大半は昔から使われている薬。
それらはすでに薬価が十分に下がりすぎているため、それ以上薬価が下がってしまうと採算がとれない、といった理由であることがほとんどです。
元々安い薬が多少薬価があがったところで、一人あたりの薬代に与える影響はごく軽微です。
薬価改定の目的は医療費削減
そもそも、薬価の改定の目的は医療費の削減です。
よって、物価高騰が続いている中であっても原則「薬価は下がる」方向にあり、個別の薬に関して値上がりがあったとしても、全体としては必ず「値下がり」します。
特に、製薬企業にとって”ドル箱”である生活習慣病の薬(高血圧、糖尿病など)は、この傾向が強く出ます。
というのは、生活習慣病の薬は服薬期間が長期に及ぶため、ジェネリックメーカーを含め製薬企業は「ぜひとも」自分の薬を使ってもらいたいと考えます。
そうなると、同じ成分または似たような効果(作用機序)をもつ薬が乱立するという状態になり、その薬の希少価値が下がります。
たとえば、高血圧の治療によく使われる「アムロジピン」という成分の薬は、すべての規格・剤形を含めてなんと169種類も存在します。(2023年3月時点)
その結果、生活習慣病の薬は薬価が(大きく)下がりやすいという傾向になるのです。
まとめ
2023年、あらゆるものの物価が上昇しています。
4月になると新しい年度に変わるタイミングで値上げする商品・サービスも多くある中で、薬の値段である薬価の多くは値下がりします。
いつももらっている薬を、3月31日にもらうのと4月1日にもらうのでは、たった1日の違いであっても「損な買い物」になってしまうかもしれません。
特に長期にわたって飲む必要がある生活習慣病の薬においては、薬価が下がる可能性が高く、受診する月が変わったとしてもいつも通っている病院であれば初診料を取られることはありません。
(※原則、慢性疾患は一か月以上空いても再診扱い。他、各加算等は除く)
よって、手持ちの薬や日程に問題がないのであれば、3月31日に受診するのはとばして、4月1日以降にもらうようにすれば、薬代を節約できるかもしれません。
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