おぎゃーーーーっ
この世に生まれた瞬間から動脈硬化は始まっています。
歳をとるごとに血管の柔軟性は失われ、決して元には戻りません。
そして血管が硬くなるほど、高血圧のリスクは高まっていきます。
・高血圧の何が怖いのか
・ならないための対策はなにか
について紹介していきます。
高血圧の怖さ 突然死のリスク
高血圧には基本的に自覚症状はありません。
よって高血圧の弊害は、ある日突然やってきます。そのXデーは、血圧の数値が高ければ高いほど、間近に迫っています。
”高血圧”という名の”サイレントキラー”は、遠くからあなたの頭や、胸を拳銃で狙っています。血圧が高ければ高いほど、あなたに近づき狙いをさだめているのです(※これはあくまでイメージです)
高血圧の弊害は主に脳、心臓に現れます。
特に脳梗塞や脳出血といった脳卒中、心筋梗塞は発症した時点で致死的になる可能性もあります。
仮に救命できても、言語障害などの後遺症が残る可能性があり、まさに半殺しのような状態になります。
高血圧らしいけど、今のところなんの症状もないからセーフセーフ
というわけでもありません。
高血圧の状態が続くと、心臓や血管、腎臓には常に負担がかかり、上記の脳卒中や心筋梗塞の確率を高めるばかりか、腎臓も機能しなくなっていきます。
腎臓が機能しなくなればドミノ倒しのように他の合併症も引き起こされ、進行すれば透析も必要になってきます。
高血圧 対策① 減塩
高血圧の主たる原因は塩分のとりすぎ。よって高血圧には減塩が有効です。
日本人の一日の塩分の推奨摂取量が男性7.5g、女性6.5g(高血圧患者等は6.0g未満)なのに対し、日本人の平均摂取量は男性11g、女性9g。
ちなみに人間に必要な一日塩分量は1.5g程度なので、はるかにそれをオーバーしていることが分かります。必要塩分量と推奨量に大きな差があるのは、一日の塩分量を1.5g程度に抑えるのは、日本人の食生活から考えると現実的ではないからです。
しかし減塩といっても、各食品の塩分量なんて知らないし、漠然と薄味にしてとか、薄味に慣れろというのも大変です。
そこで、一気に塩分をとりすぎてしまう食品に対策を絞るのをおすすめします。
それは 汁物 と 漬物 と 加工 です。
これらの食品を決して「食べてはいけない」というわけではありません。問題はあくまで塩分のトータル摂取量ですので、一日の摂取量でオーバーしないようにバランスをとればOKです。
汁物を控える
味噌汁、ラーメン、うどんなどが該当。
食品 | 塩分量 |
味噌汁 | 1.5g |
ラーメン | 5~8g |
汁物は基本一日一回まで、ラーメン、うどんは汁は残すようにしましょう。これを飲み干すとかなりの塩分を摂取することになります。一日の塩分量を一杯でとってしまいます。
減塩対策には必須です。
漬物を控える
これには梅干し、たくあんなどが該当します。
食品 | 塩分量 |
梅干し1つ | 2.0g |
たくあん1切れ | 0.7g |
梅干しはたった1つ2つでも結構な塩分を含んでいます。
一つ一つは小さい食べ物ですが、塩分量としては爆弾的な存在です。
加工品を控える
ちくわやかまぼこといったもの練り物、ハムといった加工肉が該当します。
食品 | 塩分量 |
かまぼこ1切れ | 0.4g |
ちくわ1本 | 1.6g |
ハム1枚 | 0.5g |
つまみとしてお酒と一緒に習慣的にとりがちな人も多いはず。
それ単独では薄味のように感じても中には相当な塩分を含んでいる点に注意です。
高血圧 対策② 運動 メッツを稼ぐ
運動も高血圧には有効です。
ただやみくもにトレーニングメニューをつくっても、三日坊主で終わるのは目に見えています。そうではなく、普段から日常生活の中に「運動(メッツ稼ぎ)」を取り入れていきましょう。
メッツとは、安静時の運動強度を1としたときに、その行動が安静時の何倍の運動強度があるかを表す単位のことです。
例えば、掃除機で部屋を掃除する動きは安静時の3~4倍のエネルギーを消費するとされ、これはウォーキングをするのと同じエネルギーを消費します。
日常生活の中で、”あえて”より多くのエネルギーを消費する行動を選択する(=メッツを稼ぐ)ことで、自然と一日の中で消費するエネルギーが多くなり、運動の代わりにすることができるのです。
階段を見つけたら「ラッキー」と思って積極的に利用、歩くときは常に早歩きをする、など小さなことでいいからメッツを稼いでいきましょう。
メッツに関しては以下でも詳しく解説しています。
高血圧 対策③ 血圧を測る習慣
皆もれなく歳をとるごとに高血圧になる可能性があります。であれば普段から血圧を測る習慣をつけておきましょう。
これによって、減塩や運動の効果をモニタリングすることができるし、何かあればすぐ医療機関を受診して対応することができるからです。
「まだ若いし、私には血圧計はいらないよ」と思う人もいるでしょうが、それは待ってください。
日本における高血圧の診断基準は上が140、下が90以上ですが、実はもっとさげたほうが脳血管疾患のリスクを下げられることがわかっています。
具体的には上が120未満、下が80未満が正常血圧、それ以上の血圧は(正常)高値血圧とされ、実質的に高血圧のグレーゾーン扱いにされています。アメリカではその事実をもとに高血圧の診断基準が厳しくなり、若い人でも高血圧に該当する人が増えています。
日本では140/80を超えない限り、まだ「高血圧」という名札をつけられることはなくても、もっと下げれるなら下げたほうがいいのです。
●おススメの血圧計
オムロンのHEM-7600T-BK
本体を腕に直接通して測るので、計測の手間が少なく場所も取りません。手首式に比べて、上腕式のほうが腕の可動域が少ない分、測定の正確性が高いとされています。
専用アプリを入れることで、血圧データをスマホで管理することができ、血圧手帳いらず。何よりデザインがスタイリッシュなのがいいですね。
それでも高いときは大人しく薬を飲む
やれる対策をやっても、血圧が高いときは大人しく薬を飲みましょう。
血圧の薬は大半が一日一回飲むだけで済みますし、値段の安いジェネリック医薬品も多く存在します。
一番良くないのは”何かしら理由をつけて薬を飲まないこと”。前述の通り、高血圧の状態が続くといつ半殺しに合うかわからないような状態です。
問題を先送りにした”つけ”は、未来の自分に急にやってきます。
目が悪ければメガネをかけるように、歳をとったことによる体の変化に対しても、しっかり”アップデート“をしてあげましょう。
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