安心してください。
私もみなさん同様、お酒は好きです。
健康にも気を使い、毎晩ビールを1本だけ飲むという”適量”の飲酒を心がけていたつもりでしたが、誠に残念ながらその習慣を改めることにしました。
今回は、私がなぜ毎晩ビールを飲む週間をやめたのか、なぜお酒は飲まないほうがいいという結論に至ったのかについて解説していきます。
お酒は少量であっても健康を害する
「お酒は適量であれば健康に良い」
という話を聞いたことありませんか?
実際に、少量の飲酒はいくつかの疾患リスクを下げるという研究は存在し、それをもとにした飲酒量の指針たるものが存在したのも事実です。
しかし残念ながら、この定説は事実上「誤り」であったことが最近の研究によって明らかになってきています。
今までの定説では、全く飲酒をしない人たちよりも、少量の飲酒をする人達のほうが死亡率が低くなる、いわゆる「Jカーブ」というものが存在すると言われてきました。
しかし、非線形メンデルランダム化解析という、より新しい方法も用いた分析では、飲酒量と死亡率に「Jカーブ」は存在せず、死亡率は飲酒量に合わせて指数関数的に急上昇していくことがわかっています。
今まで少量の飲酒者において死亡率が低かった(Jカーブが存在した)原因としては、少量飲酒者は全く飲酒をしない人たちに比べて、お酒を楽しむ経済的、社会的余裕があり、タバコの本数が少ない、野菜をよく取る、活動量も多いといった健康的な生活習慣をもっていたことが要因であるされています。
依存性のあるアルコールを少量だけ、”自制”して量をコントロールできるような人達が、食生活、運動習慣もあり、結果的に死亡率が低いといわれれば、何の違和感もありません。
このような飲酒量とは異なる要素の影響を受けないように、新しい方法で解析すると、飲酒量に合わせて指数関数的に死亡率が上がっていくという結果になったわけです。
カナダの薬物使用・依存症センターは、飲酒量と死亡率の関係を覆した近年の研究を元に、「飲酒は少量であっても健康を害する」として警告し、飲酒が避けられなくても「週1〜2杯までに抑えるべき」だとしています。
飲酒の習慣にはお金がかかる
毎日の晩酌をひとつのサブスクとして考えると、相当な贅沢をしているといえます。
例えば、毎日缶ビール1本(200円)だけ飲むとしても、月6000円、年間で73000円かかります。
一日の本数 | 毎月 | 年間 |
1本 | 6000円 | 73000円 |
3本 | 18000円 | 219000円 |
一般的な動画などのサブスクサービスが毎月1000円程度で豊富なコンテンツを一か月楽しめることを考えると、同じ金額の晩酌の缶ビール5本分では、刹那的な楽しみしか得られないことになります。
生涯コストで考えても、お酒を飲まない人より数百万~数千万円コストが増える結果となり、さらに健康も害すれば、それに伴う医療費も上乗せされます。
一日の本数 | 生涯コスト |
1本 | 438万円 |
3本 | 1314万円 |
「老後のためにいくら貯めておかなければいけない」というよりも、こういった飲酒の習慣さえなくせば、それだけで数百万~数千万のお金を浮かすことが可能です。
生活の上で「贅沢品」で、かつ「飲み過ぎてはいけない」ものであるお酒が、今後安くなる方向に進む可能性はかなり低いと言わざるを得ません。
よって、飲酒の習慣があるという人は、今回想定した金額よりも、実際にはより多くの生涯コストが必要になると考えておくべきです。
飲酒で人生終了のリスク
アルコールの処理には思っている以上に時間がかかります。
例えば体重60kgの人が、焼酎を2杯(純アルコール36g)のむと、体から抜けるのに約12時間かかります。
お酒の種類 | 純アルコール量(g) | 処理時間の目安 |
ビール(500mL) | 20 | 3時間 |
日本酒(180mL) | 21 | 3時間 |
焼酎(180mL) | 36 | 6時間 |
ワイン(1杯120mL) | 12 | 1時間 |
ハイボール(500mL) | 28 | 4時間 |
睡眠中はアルコールの分解速度が半分近くにまで低下する(倍の時間がかかる)とされており、仮に夜9時に焼酎を2杯飲んで寝たとすると、翌朝7時にはまだまだアルコールが残っている状態になります。
この状態で朝から車を運転し、検問や違反、事故で警察に捕まりアルコール検査をされたとすると、飲酒運転で捕まる可能性があります。
この場合、どんなにすっきり酔いが覚めていたとしても、体の中にアルコールが残っており、それが一定以上検出されればアウトです。お酒の強さは関係ありません。
飲酒運転自体、断じて許されることではありませんが、飲酒運転をしてしまった場合の近年の報道、社会的制裁は、軽く人生終了とも言えるリスクをもっています。
こちらでも詳しく解説しています。
まとめ
残念ながら、習慣的にアルコールを摂取することは、健康的にも経済的にもメリットに乏しいと言わざるを得ません。
しかし、お酒を飲む楽しみや、お酒を通しての人付き合いが大切になるときもあるのは事実です。
禁酒までする必要はなくとも、可能な限り少量にとどめることを基本とし、週末だけ飲む、集まり事のときだけ飲むといった新しい「適量」の飲酒にアップデートする必要があるでしょう。
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